■コーヒーの選び方
コーヒー製品の裏面表示には、コーヒー豆の「生豆生産国名」が記載されています。例えば、「ブラジル」と単一国名が記載されていればブラジル産のみ使用。「ブラジル、コロンビア他」とあれば複数国の豆がブレンドされています。これにより味のイメージが掴みやすくなります。
■コーヒーベルトとは
コーヒー豆は世界70カ国で生産され、赤道付近の南北緯25度間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地域が主な栽培地です。主要品種は「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ)」で、気候や加工法で味わいに特徴が出ます。
■主要な生産国と特徴
【アメリカ・カリブ海地域】
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ハワイ(コナ): 爽やかな酸味とコク
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ジャマイカ(ブルーマウンテン): 香り・酸味・コクのバランスが良い
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メキシコ: 甘い香りと爽やかな後味
【中南米】
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グアテマラ: バラエティ豊かな味、甘い香りと酸味
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コロンビア: 重厚な風味、甘い香りとしっかりした酸味
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ブラジル: 柔らかな苦味と酸味のバランス
【アフリカ・中東】
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エチオピア(モカ): フルーティーな甘い香りと柔らかな酸味
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ケニア: 重厚な風味とコク
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タンザニア(キリマンジャロ): 芳醇な酸味とコク
【アジア・オセアニア】
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ベトナム: 柔らかな苦味(ロブスタ主体)
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インドネシア(マンデリン): 香り・酸味・コクがバランスした風味
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オーストラリア: なめらかな口当たりと穏やかな酸味
【日本】
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小笠原・沖縄: 生産量は少ないが、酸味と甘味のバランスが良い
スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーは、コーヒーの高品質を追求し、その生産過程から消費者のカップに至るまでを徹底的に管理したコーヒーのカテゴリを指します。1970年代のアメリカで誕生した概念で、品質、持続可能性、生産者の利益を重視しています。
特徴と定義
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品質重視: 抽出したコーヒーの香りや酸味、舌触り、味のバランスなどが評価基準。日本スペシャルティコーヒー協会では「消費者が素晴らしいと評価する風味」を持つことが条件です。
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カップ評価: テイスティングによる厳密な評価が行われ、欠点や「汚れ」のないクリーンな風味が重視されます。
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トレーサビリティ: 農園から消費者の手元に届くまでの生産過程が明確に追跡可能。
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生産者重視: 生産者に正当な対価を保証し、持続可能な栽培環境を維持。
生まれた背景
コーヒーの大量消費と低価格化が進んだ結果、品質の低下と生産者の経済的負担が問題化。これを解決するため、高品質なコーヒーを持続的に生産する体制を築くことを目的として、スペシャルティコーヒーの概念が生まれました。
まとめ
スペシャルティコーヒーは、単なる「美味しいコーヒー」にとどまらず、生産者と消費者の双方にとって公正で持続可能な未来を目指すムーブメントです。「From Seed to Cup(種からカップまで)」の哲学を体現し、コーヒー文化を豊かにする要となっています。